【京都府】はりはり鍋(京菜とクジラのなべ)(京都近郊の食)

2020/07/10

全国のくじら伝統食

少し昔の京都近郊の食の話です。京菜には、ギザギザの切り込みのある水菜と、丸葉の壬生菜があります。
いずれも根元の茎は白く、灰汁も少なく、歯ざわりがシャキッとしている。切れ葉は煮物ように、丸葉は漬物用にと使い道が違います。京菜とクジラのなべは、別名「はいはり鍋」とも呼ばれています。土鍋に、かつお節と昆布で出汁を取り、吸い物より少し濃いめの味付けをします。
そこへクジラ肉の薄切りとぶつ切りにした水菜を少しずつ入れます。水菜は煮すぎないようにサッと入れて、すぐ引き上げ「はいはり」と歯に当たる感じで食べると一段と食欲が進みます。水菜は肉の臭みを消す働きがあると言われ、どんな肉や魚にもよく合います。

出典:『日本の食生活全集』(農文協)