【北海道】くじな汁(道南松前の食) 大物になるように縁起を担いだ正月料理
「くじな」は、くじらのことです。くじな汁も正月用に五升炊きなべに大量に作り、正月の一週間くらい、大物になるようにと縁起を担いで食べます。塩クジラ、コンニャク、ネギのほか、キャベツ、ダイコン、ニンジン、それにワラビ、フキ、ゼンマイなどの山菜を材料にします。短冊切りや千切りにした材料を醤油、塩味で煮ます。半煮えになったころ、砕いた豆腐を加え、さらに煮込みます。塩クジラは、脂身を使いますが、切ってから米ぬかに入れ、熱湯をかけて脂を抜きます。そうして煮ると身が縮み、歯ごたえが出てくるのです。
出典:『日本の食生活全集』(農文協)