みんなで分けたクジラという自然の恩恵。

2020/04/12

お客様に使えるくじらの話

「鯨一頭七浦潤す」とありますが鯨が1頭とれることで食料だけでなく、様々なものが利用されそれらを作る人、売る人が潤ったという意味です。もともと日本では、肉・皮・ヒゲ・脂・骨・歯が有効利用されていました。縄文時代においてもひとたび座礁したクジラがいれば、周囲の村人により総出で解体され、骨・歯に至るまで分配されていたと考えられています。クジラの骨が1つの遺跡から大量に見つからないのは、分配された集団の多さと、自然界の恩恵を分かち合う当時の社会の在り方を知ることができます。

 出典:日本とクジラ(福岡市博物館)