【大阪府】関東炊き(大阪天満雑貨商の食) 今なお食べ継がれる味。味が染みこみ美味しさが増す関東炊き

2020/07/10

全国のくじら伝統食

少し昔の大阪天満雑貨商の食の話です。関東炊きは、大阪のおでんの事。寒い日の夕食のおかずに良く出されます。味が染みこんでなじんだ方が美味しいので昼前から炊きはじめ、夕食の前にまた火をかけます。翌日になるとより一層おいしくなるそうです。材料は、ダイコン、ジャガイモ、サトイモ、コンニャク、厚揚げ、ゆで卵、ごぼ天、ちくわなどの練り製品、牛のスジ肉、クジラのコロ(クジラ本革の煎りがら。煎り皮ともいう)。煮汁は、コンブ、とかつお節の出汁をたっぷり使い、薄口醤油、みりん、砂糖、塩で味付けします。ダイコンは輪切りにし、ジャガイモとサトイモは、皮を剥きます。コンニャクは三角、コロは角切りにします。乾燥したカチカチのコロは、水につけ、落し蓋をして4~7日毎日水を替え柔らかくなったところを使います。崩れにくいコンニャクを底に入れ、ジャガイモ、サトイモ、コロの順に入れます。厚揚げと半分に切ったちくわは上に置きます。汁物より濃いめに味付けしただし汁を材料の高さまで入れて、落し蓋をして弱火で気長に煮込みます。

出典:『日本の食生活全集』(農文協)