【島根県】くじら飯(岩見山間の食) くじらの脂が染み出てとてもおいしいご飯

2020/07/25

全国のくじら伝統食

少し昔の島根県岩見山間の食の話です。雪の深いこの地方には、秋口にくじら肉(くじらの脂身)を売りに那賀郡下府村から商人が来ます。家々では多量に買い込み、はんどう(つぼ)に塩漬けにして保存します。くじら肉は熱湯をかけてから小さく切ります。ダイコン、ニンジン、ゴボウ、シイタケは小さく刻みます。くじら肉を鍋に入れて良く炒め、野菜を入れ、醤油で少し味をつけます。これを炊きたてのご飯に混ぜるのです。そうすることでくじらの脂が出てとてもおいしいご飯となります。また大根を入れるので味が柔らかくなり、食べやすくなります。寒い日の晩飯やお客のある時など、手軽にできるので良く作られます。

出典:『日本の食生活全集』(農文協)