【山口県】くじらの保存法(長門内陸の食) 冬の間に漬け込み魚の少なくなる秋から冬に食べます

2020/07/26

全国のくじら伝統食

少し昔の山口県長門内陸の食の話です。くじらの赤身は年中いつでも買えますが、白身は2貫目くらいの大きいかたまりを買って保存しています。突然のお客などには大変重宝される食材です。保存には、まずくじらの白身を二日間水につけ、それから、おからと塩を混ぜ合わせたものと交互に、はんど(大きなかめ)の中に詰込みます。一番上を木綿布でおさえて、蓋をきっちりとして置きます。こうしないと、くじらの身が赤くなってしまうからです。おからと塩の割合は半々で、塩が多すぎると味が悪くなります。冬に漬け込んで、夏から秋の魚の少ない時期に使います。

出典:『日本の食生活全集』(農文協)