くじらの煮しめ(香長平野の食) 大晦日の煮しめに欠かせなかった鯨

2020/08/20

全国のくじら伝統食

少し昔の高知県香長平野の食の話です。おおつご(大晦日)の夜はくじらを入れた煮しめを炊き、お正月さまにも神棚にも、炊き初穂と一緒に供え、家内一同もいただきます。煮しめの材料は、干し大根、豆腐、コンニャク、ゴボウ、ニンジン、田芋と必ず青こぶ(緑青で色付けした糸切こんぶ)とくじらが入ります。干しカズノコは7日くらい前から米のとぎ汁につけて戻し、黒豆も水に戻して煮付けてお正月の用意が終わります。

出典:『日本の食生活全集』(農文協)