【福岡県】せんぶきの酢味噌あえ（筑前中山間の食） 「おばいけ」と一緒に盛って酢味噌を添えます

少し昔の福岡県筑前中山間の食の話です。せんぶきの酢味噌あえは、3月のおなごん子の節句の料理の１つとして必ず作ります。せんぶきをさっといがいて、根元を芯にして青い葉をくるくると巻き、巻きどまりの葉先を爪で切ると、ぬめりが出て止まります。これを「せんぶきまげ」と言います。くじらの黒い皮のついた脂身を薄く切ってさっといがいてはざらせた「おばいけ」と一緒に盛って酢味噌を添えます。せんぶきの酢味噌あえは春を告げる料理で、せんぶきまでにしないで、ざく切りしてあえて日常のお菜にもします。

出典：日本の食生活全集（農文協）