【福岡県】正月もち③(筑前中山間の食) 「くじらのおばいけ」を入れて味噌おつけを「年取りくじら」と言います

2020/08/29

全国のくじら伝統食

少し昔の福岡県筑前中山間の食の話です。「年取りもち」の行事は、もちつきが終わった夜に行います。おなます、カズノコ、それにゆずり葉の上にイワシを乗せます。それを「年取りイワシ」と言います。またダイコンを千切りにして、サトイモとゴボウを一緒に煮こんで、その中におばいけを入れて味噌おつけを作ります。これを「年取りくじら」と言います。おばいけというのは、くじらの黒い皮のついた脂身を薄く切ってさっとゆで、はぜらせ(縮ませ)たものです。おなますは、ダイコンとニンジン、味付けにはイリコを入れます。

出典:日本の食生活全集(農文協)