【石川県】つばきずし(加賀潟柴山の食) 秋祭りにだけ作られる、くじらの皮を使った押しずし

2020/07/05

全国のくじら伝統食

少し昔の石川県加賀潟柴山の食の話です。柴山は屋敷まわりが狭いため、ほかの集落のように柿の木を植えられず、すしには神社の境内にたくさんあるツバキの葉が使われました。このつばきずしは、秋祭りにだけ作られ、祭りの前日ともなると神社はツバキの葉を取りに来た人でにぎわいました。作り方はまず、塩くじらの皮を酢に入れ、塩気を抜いておきます。米2升を固めに炊いて、酢、砂糖、塩を入れて冷まします。塩くじらの皮は七分角くらいに切り、綺麗に拭いたツバキの葉の上ににぎったすし飯を乗せ、その上に鯨の皮と海藻を乗せ、四角いすし箱の中に並べ、蓋をして重しを加えて押しずしにするのです。
出典:日本の食生活全集(農文協)