塩くじら汁(山形県庄内平野の食) 塩くじらは結婚式に使う家のあるほどのご馳走

2020/07/05

全国のくじら伝統食

少し昔の山形県庄内平野の食の話。しんしんと雪の降り積もる夜も、雨戸をたたきつけるような風雪に身をちぢめる夜も、蓑作りなどの夜なべ仕事に精を出していました。夕食には体の具沢山の汁物が良く食べられました。二度イモやダイコンに酒粕を入れた塩くじらは結婚式に使う家のあるほどのご馳走で、姑はくじら汁が食べたくなると「嫁でも仲人するか」と冗談を言っていたようです。それほどこの地域では美味しく、体の温まるご馳走なのでした。
出典:日本の食生活全集(農文協)